ENICAR
1854年に誕生したエニカの歴史は、スイス時計産業の歴史でもある。
エニカの名前の由来は、創業者の「RACINE」スペルを逆にして「ENICAR」
1910年代には、エニカの開発した抜群の制度を誇るポケットウォッチが、フランス、ドイツをはじめヨーロッパ大陸のほとんどの国で鉄道用時計として採用。
1930年代にはすでに自動巻き腕時計や防水時計を開発しており、スイス時計の大ブランドに成長した。
米軍空軍の指定時計だったエニカは、1951年、在日外国人向けとして日本に輸入。当時の主力モデル「シェルバー」は、欧米でも多くのパイロットやダイバーなどに愛用された。
1956年には、そのクオリティの高さから、スイスのヒマラヤ・エベレスト登山隊の公式時計として選定された。
1970年代になると、エニカは他社に先駆けて新しい素材を用いた薄型時計を開発。1974年には、スイスで最も早くクオーツ時計を製品化する。
より薄くなっていくクオーツムーブメントは、エニカのドレスウォッチに最適だった。
常に新しい素材やデザインを追求しながら作り出されるエニカの時計は、現在、400種類以上にも及んでいる。今日では機械式・クォーツを含め300を超える現代的なデザインの時計を発表しており、スイスを代表するマニュファクチュアとして時計ファンの間で知られている。
また、エニカブランドのアンティーク品や中古品に魅力を感じる機械式時計ファンも多く、オークションで高値で取引されていることもある。
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